主題歌決定までの道のり

主題歌決定までの道のり

映画の撮影が終盤に至り、スタッフの間では主題歌をどうするべきか、というある程度の方針が共有されていた。作品のエンドに相応しい壮大なバラードであること、できればそれを色のついていない新しいディーバに歌ってほしい、ということ。プロデューサー陣で国内外を問わず相応しいアーティストの候補出しをしていたところ、本名名義で本作の共同プロデューサーでもある水嶋ヒロから、「ガブリエル・アプリン」が一押しで推薦された。ガブリエルは、上記のオーダーを満たす美しい歌声を持つアーティストであり、日本での人気も上昇しはじめたところだった。水嶋から「天使のような美しい歌声を持つアーティストが、悪魔が主役の映画の主題歌を歌うのは皮肉めいていて面白くありませんか?」との提案に、プロデューサー陣・監督も賛同し、正式にワーナーミュージックを通じて、イギリスに、映画のコンセプトから順に説明し、打診したところ、ガブリエルがちょうど来日するとの事。そこで松橋は、映画の世界観にふさわしい楽曲を用意し、それを歌ってもらえないかをガブリエル陣営に話してみた。ガブリエルはシンガー・ソングライターであることから、その可能性は限りなく低いと考えていたが、希望のある返事をもらうことに。楽曲を聴いてみてから判断したいとのこと。なんとか快諾してもらう為にも、極上の楽曲を提示しなくては… そんな思いから、映画の世界観を理解し、楽曲を書き下ろしてくれる人を急いで探すことに。

そこで、松橋プロデューサーには秘策があった。それは、「絢香」に作詞・作曲してもらうこと。絢香は、松橋がいつか映画の主題歌を書き下ろしてもらいたいと思っていたアーティストであった。実は、別の映画で主題歌をオファーした事もあったが、その時はスケジュールが合わず実現には至らなかった。更には、それを英詩にしてもらうことができるという確信である。ある動画投稿サイトで絢香が自身の楽曲を英語で歌っているのをよく聞いていたからだ。水嶋に相談すると、「この映画のことを企画の立ち上げ段階から知っているし、英詞にするラインもあるので、彼女なら期待に応えてくれると思います」とのこと。こうして、見事なまでに映画の世界観を表現した「Through the ages」という楽曲が誕生した。

ガブリエル陣営からも「世界に通用する楽曲である」と判断され、作詞・作曲:絢香、歌:ガブリエル・アプリンという奇跡的なコラボレーションが実現することになった。